延岡市立図書館で開催された「第16回平和祈念資料展」の資料解説会が、6月16日に行われました。
資料展の詳細は以下をご覧ください。
資料展のために描かれた安田善吉さんのイラストは、こちら↓にてご覧頂けます。
解説と朗読の音声
軍事史研究家の古舘豊さんによる解説と、俳優・声優との池田知聡さんの朗読です。
特別高等警察について
明治の末年から第2次世界大戦の敗戦まで社会運動の取り締まりを担当した警察で、「特高」と略称されました。
昭和10年代に共産主義運動を弾圧して、壊滅状態に追い込みました。
昭和11年(1936)の2・26事件後には、その権限をさらに拡大します。
自由主義思想、宗教活動の取り締まりや、農村の地主と小作関係に介入して小作争議の防止をはかる活動も強化しました。
日中戦争下では、政府が推進する統制経済の監視役となります。
太平洋戦争中には「不穏」とみなした思想や行動を反戦主義に結びつけて監視と弾圧を加え、「鬼より怖い特高」として人々から恐れられました。
終戦直後も活動していた特高は、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)により昭和20年(1945)10月に解体されます。
昭和21年(1946)以降も公安警察、警備警察に姿を変えてその体質は継承されました。
古舘豊さん
日本大学大学院博士後期課程を修了。総務省の独立行政法人・平和祈念事業特別基金の専門・学芸員として勤務。戦時資料の収集、整理、展示などの業務を行いました。
延岡市で毎年開催されています平和祈念資料展では第1回展から企画・構成・展示・解説を手がけています。
池田知聡さん
アニメ「クレヨンしんちゃん」「忍たま乱太郎」などで声優として活躍。平和祈念資料展の「語り継ぐ集い」「資料解説会」に出演し、兵士が家族にあてた手紙や遺書などを朗読。
また、延岡市と日向市の特別支援学校で毎年開かれる「にじいろ音楽会」にも出演しています。