日本をどん底から打開!エネルギー文明の転換と8人の志士
著者 田村八洲夫 藤本栄之助
発行 延岡バックステージ
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本の制作の流れ
共著の現在延岡市在住の藤本栄之助さんからお話をいただいたところから話が始まりました。これが去年の1月です。
以前制作した『時空旅行「ガい~どマップ」―江藤勝年司 原画集―』を見ていただいたのがきっかけのようです。
なにも考えずに「はい」と即答しましたが、問題が何個もあることに気づいたのは作業に入ってからでした。
まず、今まで本の編集をしたことがないこと、そしてこの本が扱う「経済」「環境」「エネルギー」についての知識が編集できるほどないこと。
私がひとりしかいないこと(あと三人くらい私がいたらなと何度も思いました)、今回電子書籍も作ろうと思います~と軽く言ったもののやり方がさっぱりわからないこと。
どうにかなるかなと思って半年やってみました。結果ご協力もいただき、できあがったので今はほっとしています。
本の内容について
化石燃料がいずれ採れなくなる、というのは私ですらうっすらと感じていることでした。ならば無くなる未来に向けてどんな方法があるのかというのがこの本の主軸です。そして、化石燃料(エネルギー)には必然的に経済(私たちの生活)も付いてくるというもの。この内容が第一章です。
第二章は、経済に関して日本の状況。エネルギー問題からは少し離れたようにも思えますが、エネルギーと経済は切り離せないので経済の方からも変えていかなければならないのだなと私は理解しました。それから、争うことなく地球全体の協力が必須だということ。
7月、映画館で「オッペンハイマー」を見たのですが、その中で「文明社会」という単語が出てきて個人的には、あっと思いました。たしか、原子爆弾を「人類が自ら滅ぶ方法」と表現する中で出てきた単語だと記憶しています。 「文明社会」という言葉は、「様々なものが発達した現在の文明の中で人々が暮らしている社会」というイメージで解釈しました。それが滅ぶということは全てが無になり、まさに漫画の『Dr.STONE』のように今まで人類が築きあげた文明の利器が全て消えるということだと思います。とすると、本書に出てくる「次の文明社会」という表現は、今の生活が根本から変わるようなイメージを持ちます。しかし工夫次第で緩やかに移行できるのではないかとヒントをくれるのが第三章です。様々な工夫やアイディアで活動する8人を紹介しています。
また、第四章では共著の延岡在住、藤本栄之助さんが新たなエネルギーや日本がやるべき「脱炭素(カーボンフリー)」について語っています。
壁にあるコンセントにプラグを差して、当たり前に供給される電気に私が無頓着だったことに気づかされました。スマホを使うにもPCを使うにも音楽を聴くにも電気が要るんですよね。どう電気が作られているのか深く考えられていませんでした。
そんな中「水素」という新たなエネルギーについての話です。でも水素を作るにも電気が必要。大きな変革が必要になり、そのためにはどう合理的に進めていくかという藤本さんの提案が書かれています。
途中に化学式や表などが出てきてむずかしいと感じはしますが、わからないところを読み飛ばしてもなんとなくは理解できると思います。第四章は、技術的な話が入ってきます。
本の特徴
最初に原稿を読んだ段階で、話題が多岐に渡っていることから入門書のような本になりそうだなと思いました。
環境問題等に興味がある方、学生・若い層への普及を目指して作りはしました。がしかし。
なにぶん編集をしたのが「SDGs、脱炭素、カーボンニュートラル、エネルギー、資本主義」これらの単語を聞いたことはあるけれど説明してと言われればできない私。
読んでいて引っかかったところ・単語を調べて解説を入れることにしました。単語の下に()を入れて説明を書いているところもあれば、文中に書いたところもあります。できるだけわかりやすく編集したつもりです。
よって!
なんか最近「SDGs」とか「カーボンニュートラル」ってよく聞くよね!という方にもおすすめの入門書になりました。
よくわかっていなかった私がわかるまで調べながら編集したというのも、この本の特徴のひとつかなと思います。
資料・情報あつめ
「入門書」というだけあって、この本だけではひとつひとつの問題や事柄を詳しく知るには足りないと思います。
社会に日本に、世界にどのような課題があるのか、どのような危機に今さらされているのか。きっかけを掴む本だと思って編集を進めました。
詳しく知るための資料や情報を集める方法を今回学びましたので、以下にまとめます。機会があればご活用ください。
① 本
オーソドックスな方法です。特に図書館は、ジャンルによって棚が分けられているため探しやすいです。
しかし、全て鵜呑みにするのではなく事実かどうかの検証がある程度必要だと今回感じました。それは「間違っている情報」というわけではなく、情報が古い場合もあるからです。
それから、言葉を調べるのに今回「広辞苑第七版」を使いました。実は、広辞苑しっかり引くのはほぼ初めてでした。おもしろいんですね!知らなかった!人気があるのも頷けます。
紙もめくりやすいし、説明がよく考えられていて日本語の持つ豊かさと美しさを感じました。手当たり次第単語を調べて、そうやって説明するのね!と納得したくなります。おもしろい。
② インターネット
新しい情報はインターネットにあります。2000年初頭では、新しい情報はまだ紙の勢力が強かったようですが、現在はほぼネットです。
ただ、闇雲にヒットしたものを信じるのではなく信用のおけるところから情報を見つけ出さなければなりません。
一番はやはり、国から発表されたものです。
『日本をどん底から打開!エネルギー文明の転換と8人の志士』では、経済産業省の資源エネルギー省や環境省の情報を参考にしました。報道用の資料も公開されており、データの引用元など詳しく掲載されているので調べやすくまた、思ったよりもわかりやすくまとめてあるという印象を持ちました。
こういった資料を探すきっかけがなかったため、国から発表されたものは難しく頭のよい人にしかわからない内容なのだろうなと勝手に思い込んでいましたが、よく読んでみると頭のよい人ができるだけわかりやすく説明してくれようとしている、という内容でした。
もちろん各機関のホームページでは、わかりやすいコーナーも用意されています。
しかしなにを調べればよいのかわからない状態では探すことができません。インターネットは情報があまりに多いので、調べる事柄を決めておかなければたどり着くことができません。
「なにを調べるか」を本で探して決めるとよいと思います。
③ 図書館のレファレンス
今回、大変ありがたく利用させていただきました。本当に助かりました!
私は今まで、棚になかった本を探してもらう、書庫から本を探してきてもらう、程度しか利用したことがありませんでした。そう!レファレンスというものがあるのです。
レファレンス【raference】
広辞苑第七版 岩波書店
①参考。参照。「―-ブック」
②(reference and information serviceから)
図書館で、資料・情報を求める利用者に提供される、文献の紹介・提供などの援助。参考調査業務。リファレンス。
図書館司書さんにどうしても見つからなかったデータの引用元を探していただいたり、お世話になりました。情報の正確性を確かめる方法のひとつです。
図書館の持つ情報網を駆使して探してくれます。ありがたい。
そういえば小学生のとき、絵本の題名を忘れて「うさぎが出てきて・・・あと、こんな内容で・・・」という説明だけで見つけてもらったことがありました。あれもまたレファレンスサービス。すごい。
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