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【レポート】2019/02/16 亀井神社ヤブツバキ

レポート

亀井神社の五色椿「家長(いえなが)」

宮崎県北部の延岡市天神小路にある亀井神社は、地名に「天神」とあることからも分かりますが、”学問の神様”の菅原道真公を祀る神社です。その後、延岡藩主の内藤家の中興の祖である家長公・元長公父子もお祀りしましたが、そもそもは「天神様」。
戦前、境内一帯は見事な梅林でした。しかし、延岡大空襲で社殿と共に焼失し、今は石段の下に白梅がわずかに残るだけです。
2019年は梅の開花が早く、2月16日に訪れた際には盛りは過ぎていました。
これから3月初めにかけての”主役”はヤブツバキです。特に、「家長」と命名された古木です。

撮影・編集:坂本光三郎

樹齢200年以上。幹回り約1.2メートル、高さ約10メートルもあります。
境内の中央にどっしりと立っていますが、あまりに木が大きく、葉も茂っているために花が目立ちません。
上を見上げ、目を凝らすと、さまざまな色が見えてきます。「家長」は、1本の木から紅、桃、白地に紅の縦絞り、吹き掛け絞りと多彩な花が咲く”咲き分け”の椿です。

名前の由来は、菅原道真公と共に亀井神社に祀られている旧延岡藩主・内藤家の三代家長公。関ケ原の戦いの前哨戦となった慶長5(1600)年の伏見城の戦いで徳川家康のため城を守り討ち死、この戦功が内藤家の成長の基礎になりました。
家長公は弓の名手であり、顔立ちも美しい「容顔秀麗」でした。亀井神社の五色椿の「凜としたたたずまい」と重なると、延岡城山ヤブツバキを楽しむ会の代表世話人の江藤奈保さんが命名しました。
現地調査をした宮崎市在住の樹木医・森本辰雄さんは「家長」について、「こんな大きな咲き分けは見たことがない。県内では一番。ツバキとしても宮崎で10本の指に入る」。

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書いた人:坂本光三郎

坂本光三郎

宮崎県延岡市出身・在住。1983年、早稲田大学を卒業し、延岡市の夕刊デイリー新聞社に入社。編集部記者として、文化・歴史・福祉を担当。小・中学校の平和学習講師も務めている。現在、夕刊デイリー新聞社取締役(編集担当)。FMのべおか局長。

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